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Kaido Ocean Children 140

「奄美は焼酎の文化ですから、焼酎はそれこそ生活の一部です」。

http://craftseden.amamin.jp

紬の郷と海に育まれた 「奄美の感性」が生み出すもの

武 照幸さん

鹿児島、奄美大島のアクアブルーの海、珊瑚や貝殻が流れ着いた白い浜にはわき水が溢れ、そのちょっと沖の大きな岩はどっしりとした風格で我々を見守る。ここウーバ浜は、武照幸さんが子供の頃から庭のように遊んだ大切な場所だ。「学校が終わるとばあちゃんの畑を抜けて、ここにきて」と語る無邪気な目を見ると、少年が走っている姿が浮かぶ。

 大島紬の郷、笠利、両親はその職人として工場をもち、小さいころから手作業に触れて育った。時代の流れから減って行く紬職人を継ぐことは叶わなかったが、クラフト職人としての道を歩んでいる。近海でとれる夜行貝とシルバーのアクセサリーやレザーの小物は、口コミで広まり少しずつオーダーも増えてきている。武さんがサーフィンを始めたのは、高校生の頃。同級生たちとサーフボードを手に入れ、「アダンの木の下に隠しておいて、浜に来た順番で波乗りをした」と、島ならではののどかな話だ。「20年以上やっても、まったく飽きない、はまってます」と笑う。海に入るのは、まさに生活の一部。漁師でもあった父に習い、自身も漁業組合に属し、潜っては伊勢エビをはじめ獲物を獲るのも好きだと言う。もずく漁、サトウキビの収獲など、季節労働の傍ら本業であるクラフトに向かう。そして、時間があれば海で遊ぶ。夢のように理想的なライフスタイルだ。武さんは、ずっとそれを続けている。  

そこから生まれるクラフト『Seden』のデザインは、自然が教えてくれたダイナミックさと繊細さを併せ持つ。「太い指でよくこんなのができるね~と言われます(笑)」。奄美に吹く風や陽射し、雲の動き、波の音、そしてアダンやソテツの揺れる影。それを見て感じて育った人ならではのギフトなのだと思わずにはいられない。