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Kaido Ocean Children 146

奄美で「酒」といえば黒糖焼酎だけれど、「海童」は芋でもひと味違って旨いです。


陶芸家
奥光太郎さん

奄美大島には、独特の文化がある。島に訪れると、まるで外国に訪れたようなカルチャーショックを受ける。旧正月や八月踊りと呼ばれる祭のときは、老いも若きも昔からの風習に倣い、しきたりを重んじて、唄い、踊り、食べて飲んで過ごす。奥光太郎さんはそんな文化を伝承する家に生まれ、陶芸家として活動しながら、外地の人々にもこの土地を楽しんでもらおうと奄美リゾート「ばしゃ山村」で郷土料理や行事の体験をガイドする。

 その一方で、奥さんが今力を注いでいるのがスケートボードパークの運営だ。数年前、スケートボードの魅力にとりつかれたものの、島にランプがなくてなかなか遊べない、ならばと廃材置き場を片付けることを約束に借りて、遊びたい一心で早朝から夜中までかけて、一日で作ってしまった。「自分が遊ぶために作ったら、『やらせて』っていう人が増えて、やるならもっと広くしよう、と。みんなが手伝ってくれてここまで出来上がったんです」。それを見て子供たちも集り、自然発生的に「場」が生まれた。大人も子供も共有できる場で一緒に遊ぶことで、礼儀やルールも教えることができる。

 奄美の海で育った奥さんにとってサーフィンは、海遊びのひとつとして始まり、今ではその人生のごく自然な要素。スケートボードは、ちょっと違う。でも心の中のテーマはいつも同じ。人と人のつながりや、大切にするべきことを知っていることが大事だということ。奄美の伝統を大切にして、伝え、新しいことを受け入れる。そしてコアにあるものを忘れない。

 現代社会に生きること、自然と共存すること、文化をリスペクトすること、奥さんが大事にするものを聞いたとき、「あぁ」と納得できる何かが、ストンと腑に落ちた。