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金山蔵だより#46

集成館事業を支えた世界文化遺産『寺山炭窯跡』

薩摩の産業革命の礎となった炎の記憶

2015/12/04

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島津斉彬の命により、大砲や砲弾の鋳造、ガラス製造などを行っていた『集成館』。石炭を産出しない薩摩で、鉄やガラスの溶解に必要な1500度という高熱を得るためには木炭に頼るしかありませんでした。そのため、磯地区から最短距離で豊富な森林資源を持つ寺山に三基の大型炭窯を築造。ここで焼かれる高温を発し強い火力を持つ木炭は、白炭と呼ばれ珍重されました。


産業革命にエネルギーを供給した炭窯。

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西郷隆盛が1875年(明治8年)に開墾した南洲翁開墾地遺跡などを通過して『寺山炭窯跡』に向かう寺山公園の散策路。薩摩の産業革命を支えた緑豊かな雑木林は、今も変わらない豊かな自然の姿を見せてくれます。公園内には、桜島や眼下に広がる錦江湾など、火山が育んだ大パノラマを観察できる絶景ポイントも見つかります。

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寺山炭窯跡の特徴は、窯壁とその周囲の土留めまでをすべて溶結凝灰岩の切石を布積みして作り上げていること。また、紀州熊野に学んだイチジク型の平面形状で、上部から効率よく製品を取り出すことができるよう工夫されています。当時、三基築かれた炭窯の内、所在が分かっているのは今ではこの一基のみです。

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京都の藩邸に仕え和歌を学んだ薩摩藩士、八田知紀は、維新後は宮内省歌道御用掛として活躍しました。炭窯横の顕彰碑には、島津斉彬の尽力や、既に二基の炭窯が完成した報告、大きな木だけを伐れという斉彬の教えや、窯の繁栄への祈りなどが、歌人らしい美しい筆致で刻まれています。

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「風景にも気骨がある」と作家・司馬遼太郎が絶賛した寺山公園、大崎鼻展望台からの絶景。北に霧島連山、正面に晴れた日なら紺碧の錦江湾、その真ん中に薩摩隼人のシンボル桜島、大隅半島の高隈山、南には薩摩富士と呼ばれる開聞岳、遥か西方には東シナ海を望むことができます。この寺山の地を選び開墾社を開いた西郷隆盛も、この絶景から英気を養ったのかもしれません。霧島錦江湾国立公園の寺山炭窯跡は、新たに世界文化遺産としても認定されました。


Information

寺山炭窯跡

鹿児島県鹿児島市吉野町10710-68

TEL:099-227-1962(鹿児島教育委員会文化財課)

駐車場:有(寺山ふれあい公園駐車場)

アクセス:JR鹿児島中央駅から南国交通バス中別府団地線にて40分『少年自然の家入口』バス停下車、徒歩20分

http://www.meijiishin150countdown.com/cust-map/195/

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