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金山蔵だより#80

知れば知るほど飲みたくなる!「世界の蒸留酒」

~第13期 薩摩金山私学校特別講座レポート~

2018/09/18

日頃、何気なく飲んでいるお酒について勉強する機会はそれほど多くはないかと思いますが、去る9月7日(金)に、薩摩金山私学校の第13期特別講座がいちき串木野市のホテルアクシア串木野で実施され、発酵学や醸造学などが専門の、東京農業大学名誉教授の小泉武夫先生に「世界の蒸留酒」についてご講演いただきました。蔵だよりの読者の皆さんは、お酒に興味がある方が多いかと思います。今回のレポートが、世界の蒸留酒のうんちくを語れるようなヒントになれば幸いです。

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(東京農業大学名誉教授の小泉武夫先生)


世界中を見渡しても「サツマイモ」のお酒は珍しい

世界的に見ると、パプアニューギニアのタロイモやヨーロッパの一部地域でジャガイモなど、「芋を使った酒」は珍しく、中でも「サツマイモ」を使ったお酒は非常に珍しいとのことです。焼酎王国鹿児島に住んでいたらなかなか気づかないこの事実に驚き、一気に小泉先生のお話の世界に没入していきました。因みに、ご存知の方も多いかと思いますが、日本で初めて「焼酎」という名前が生まれたのは、江戸時代の薩摩からといわれ、鹿児島県伊佐市(旧大口市)にある郡山八幡神社に「焼酎」の漢字が記されたものが残っていることが由縁とされています。

郡山八幡神社画像.jpg

 (焼酎発祥の地として知られる郡山八幡神社)

多種多様な蒸留酒

小泉先生は、初めに醸造酒と蒸留酒について触れ、醸造酒は、原料自体に糖分が含まれており、酵母を加えるだけでアルコールへと発酵させることができるのに対し、蒸留酒は、「蒸留」という、火を使って濃縮しアルコールと香気成分だけで造る技術が求められると説明されました。蒸留酒の説明が終わり、いよいよ、多種多様な世界の蒸留酒の紹介の始まりです。スコットランドを中心に造られる歴史あるウイスキーや、アランビックと呼ばれる錬金術師が編み出した蒸留器を使い、ペスト大流行の時期に生まれたことから、"命の水"として飲まれていたブランデー(コニャック・アルマニャック)に加え、ラム、テキーラ、ウォッカなど、資料や写真等を織り交ぜながらわかりやすくご説明されました。さらに、今後日本でも広まる可能性がある蒸留酒として、「りんごの蒸留酒」を挙げられました。〝カルヴァドス″というりんごを発酵させ蒸留したお酒がフランスのノルマンディー地方で造られていることについて触れると、会場に集まった方々の中には、「なるほど」とメモを取られる方も。多種多様な蒸留酒の紹介は、さらに続き、"アルヒ"と呼ばれるモンゴルの馬乳酒(モンゴリアン・ウォッカ)や、バナナを原料に中央アフリカで造られる"サタンの水"、朝鮮半島の焼酒(ソジュ)など、数多くの蒸留酒をご紹介いただき、90分では収まらないほどの充実した内容で、会場に集まった100名余りの聴衆を最後まで魅了した、お酒に興味のある方にとって大変勉強になる素晴らしい講演会となりました。

小泉先生の講話の中で特に印象的だった言葉は、「酒も人間も同じ。生まれた環境も大事だが、育つ環境も大事」で、人の生きる道にも伝わる、非常にメッセージ性のあるご講演でした。第二部では、新劇の東京芸術座に所属し東京・浅草で活躍をされている、游玄亭玉八師匠のお座敷芸で大いに盛り上がった薩摩金山私学校特別講座でした。


Information

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