大空を駆ける龍のような一年にするために、いちき串木野のドラゴンを探してみる
2024年、令和6年がスタートしました。
今年は辰年ということもあり、年賀状の挨拶などで、力強い辰や龍のイラストを多く見ましたね。
龍は多くの伝説や神話において、力強さや権威の象徴。そのため、持ち主に力強さや成功をもたらすと言われています。
また、龍は守護の象徴として家や王国を守る存在でもあり、そこから神聖なものとして描かれていることもあります。
一方、西洋の伝説に登場するドラゴンは、大きな爬虫類のような姿で描かれることも多く、二足歩行で翼を持ち、炎を吐く邪悪で恐ろしい存在…ゲームなどに登場する悪役として描かれるドラゴンのイメージに近いかもしれません。
伝兵衛蔵の近く市来神社で、欠かすことのできない水を守る水神様と出会う
伝兵衛蔵のあるいちき串木野市にも、龍にまつわるスポットがいくつかあります。まずは伝兵衛蔵からも近い「市来神社」を訪ねると、手水舎で龍の姿を見ることができます。
人が生きていくために飲み水は必要です。また、農業にとっても水は欠かせないもの。なので、田や用水路、井戸や水くみ場などの近くに祀られていることが多い水神様。その水神様を象徴するものとして、時には水神様の使いとして、龍が描かれることも多いそうです。
焼酎の原料でもある芋や麦、米なども水がなくては生産が成り立ちません。そして当然ですが、水も焼酎造りには欠かせないものです。
今回の龍を探す旅。蔵の近くで出会ったのも何かの縁かもしれません。
自然がつくった力強い龍の姿、人の力を越えたパワーを感じる「驪龍巌」
少し海の方へ足を延ばして照島海岸へ。いちき串木野市は漁業も盛んな地で、照島海岸は目の前に広がる東シナ海を眺めるには最高の場所。島の中には海での安全を祈る照島神社がありますが、そこから奥に歩いていくと、立派な龍に出会えます。エピソードとして、次のようなものがありました。
寛政2年(1790)に、島津家第26代斉宣公が市来温泉に湯治の折、照島を訪れその風光明媚に感銘した。その時、脚下に黒く光る雄淵(男池)、雌淵(女池)の巨巌の群れに目を注ぎ、「まさにこれは、玉を抱いてうずくまる龍の姿である」と言い雄淵の上にある巨巌に「驪龍巌(りりゅうがん)」と書かせた。
自然がつくった力強い龍の姿、人の力を越えたパワーにいにしえの人も驚いたことでしょう。
冠岳の麓、冠嶽園で見つけた、龍や開運、長寿にちなんださまざまな伝説
秦の始皇帝の命を受けた徐福が、不老不死の仙薬を求めて渡来し、この地で冠を解き捧げたので冠岳という名がついたといわれているこの場所。
「鯉の滝登り」という諺がありますが、「黄河の竜門という場所の激しい流れを登りきった鯉は龍になった」という中国の故事に由来するといわれています。その鯉が龍になった伝説に由来するのか、庭園の池には鯉が泳いでおり、その池の上を渡す橋には龍が描かれていました。
また、冠嶽園の横を流れる花川の下流から上流にかけて、10の橋がかけられています。橋にはそれぞれ徐福の不老不死を求めて歩んだ伝説にちなんだ名前が付けられています。下流から上流に向かって年代が進むような物語をもとにしており、3つ目の橋には欄干に2匹の龍がモチーフ。その名も「昇竜橋」といい、若者たちの成長を祈願されているそうです。
このようにさまざまな「龍」にちなんだスポットが点在するいちき串木野市。ぜひ皆さんも龍の足跡をたどってみてはいかがでしょうか。
Information
■市来神社
住所:〒899-2101
鹿児島県いちき串木野市湊町3丁目248番地
受付時間:9:00~17:00
URL:https://ichikishrine.web.fc2.com/
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■驪龍巌
住所:〒896-0032 鹿児島県いちき串木野市西島平町
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■冠嶽園
住所:〒896-0051 鹿児島県いちき串木野市冠嶽13511−2
営業時間:9:00~17:00
駐車場あり
定休日:月曜日・12月29日-12月31日
お問い合わせ:TEL 0996-32-3111