夏も盛りを過ぎましたが、冷えたお酒が美味しい季節がまだまだ続いていますね。「乾杯!」の掛け声が全国津々浦々から聞こえてきそうです。さて、今回の蔵だよりは、この「乾杯!」についてのお話から始まります。
乾杯の歴史と世界の乾杯
「乾杯!」というのは、杯を掲げるという行為を連想させます。起源は古代ヨーロッパにおける「神や死者のために神酒を飲んだ」という宗教的な儀式にあると言われています。中世になると、お酒には悪魔が宿り、そのまま飲んでしまうと悪魔に取り憑かれると信じられていたことから、グラスを合わせて音を立てることで〝悪魔を追い払う〟という意味が浸透していきました。また、グラス同士が当たる衝撃によって飛んだ数滴が混じり合った杯をお互いに飲むことで毒が入っていないことを確認するという意味合いもあるそうです。日本語では「乾杯!」ですが、他の国の言葉でも同様の表現があります。基本的にどの国も「健康を祝して」杯を交わすそうです。
イギリス・アメリカ・カナダ:、Cheers!(チアーズ)
フランス:A votre sante!(アボートゥル サンテ)
ドイツ:Prosit!(プロージット) もしくは、Prost!(プロースト)
スペイン・メキシコ:iSalud!(サルー)
エジプト:Fi Sihhitak!( フィ シヒタック)
イタリア:Cin Cin!(チン チン)
タイ:Chai Yoo!(チャイ ユー)
クラフトビールブームの到来
「乾杯」と言えば、ビールが代表的ですが、最近は、「クラフトビール」で杯を交わす人たちも増えているようです。クラフトビール台頭の前に、「地ビール」の存在を忘れてはいけません。「地ビール」とは1994年に酒税法が改正されてビールの小規模醸造が可能になったときに生まれたものです。「小規模で地域に根付いて造られるビール」という観点では、「地ビール」と「クラフトビール」はまったく同じものだと言えるでしょう。地域おこしの一環として、かつて300を超える醸造所ができたと言われていました。そして、海外からやってきた「クラフトビール」の上陸により、職人(クラフトマン)としてのプライドを持ち、ビールの深い魅力を追求するブルワー達によって牽引されたこのクラフトビールの考え方が、日本国内の「地ビール」の地位や品質の向上に大きく影響したと言われています。「クラフトビール」と「地ビール」はグローバルな視点で見ると、全く別の言葉ではなく、どちらも地域性と独創性を大切にするという本質を持つこだわりのビールなのです。
焼酎蔵が造るクラフトビール
伝兵衛蔵では、2001年から焼酎造りで培った経験をいかしながら個性的な味わいに深みを重ねた「伝兵衛ビール」を造り続けています。「伝兵衛ビール」は、ドイツのケルシュタイプのビールを蔵独自にアレンジした華やかな香りが特徴で、淡い黄金色で軽快な味の地ビールです。香ばしさと苦みが特徴の「伝兵衛黒ビール」は、黒ビール特有の香ばしさや苦みを大切にしながらも、黒ビール初心者の方にもおいしく飲んで頂ける飲みやすさです。「伝兵衛 完熟梅発泡酒」は、桃を思わせる完熟梅のフルーティーな香りと味わい、低アルコール度数で飲みやすく、ほんのりとした甘さが魅力です。いずれも、本格焼酎づくりで培われた杜氏たちの技術が昇華された力作です(「伝兵衛黒ビール」と「伝兵衛 完熟梅発泡酒」は季節限定商品)。
伝兵衛クラフトビール祭り好評開催中
伝兵衛蔵では、毎年7月~9月にかけてクラフトビール祭りを開催しています。今年の7月実施分は、定員を越えるお申込みをいただき、大変好評をいただきました。新たな元号、令和元年の伝兵衛蔵ビール祭りは残すこと3回。ぜひ、焼酎蔵が生んだこだわりのクラフトビールで乾杯してみませんか。
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