(薩摩焼酎マーク)
皆さんのお手元にある焼酎のボトルに貼られたラベルをよく見てください。今飲んでいる焼酎には黒千代香(くろぢょか)と猪口(ちょこ)をモチーフにデザインした「薩摩焼酎マーク」が描かれていますか?
写真は伝兵衛蔵で製造されている本格芋焼酎「伝」のラベルです。「SATSUMA SHOCHU 地理的表示 薩摩」と表示されています。何気なく印刷されているこのロゴマークですが、使用するにはルールがあるのです。
「薩摩焼酎」とは、鹿児島県産のさつまいもを使用し鹿児島県で製造・瓶詰めまでされる芋焼酎のこと。酒類の地理的表示として2005年に登録されています。地理的表示とは、ワインの「ボルドー」やブランデーの「コニャック」、ウイスキーの「スコッチ」などと同様に産地の持つ特別な品質や社会評価を国際的に保護するものです。
地理的表示のためにはこんなルールがあるんです。
地理的表示の対象となるためには、様々な要件があり、国税庁により次のように定められています。
■原料について
・鹿児島県で収穫されたさつまいものみを原料とする
・麹の原料は米ないし鹿児島県で収穫されたさつまいものみとする
・鹿児島県内で採水した水のみを用いる
■製法について
・鹿児島県内で原料の発酵および蒸留を行う
・麹、さつまいも、水を原料とした醪(もろみ)を単式蒸留器により蒸留する
・貯蔵する場合は鹿児島県内で行う
・鹿児島県内で最終容器に詰める
※なお、ここでの「鹿児島県」は奄美市と大島郡を除く。
鹿児島の気候・風土から生まれた原料から、製造、最終の瓶詰めまで、全て鹿児島県内で行った芋焼酎だけが、この「薩摩焼酎」のマークを表示することができます。
これらの要件を満たした焼酎であるということが、このマークが商品に表示されていることで証明されているのです。
ロゴにデザインされた「黒千代香(くろぢょか)」とは
ロゴに描かれている「黒千代香」は、焼酎の本場・鹿児島で伝統的に使われてきた、直火にかけられる焼酎の燗酒用の酒器です。「くろじょか」と読み、「黒ぢょか」や「黒じょか」と表記されることもあります。平べったいボディーにつるを巻きつけた持ち手で、注水用の口に小さめの蓋がついているのが特徴で、漆黒の色合いが目を引きます。
焼酎を入れて温めると遠赤外線効果で角がとれて、まろやかな口当たりに。また、使い込むほどにまろやかな燗酒を作れるようになり、酒器自体にも深い味わいが生まれます。
さらにおいしく飲むために、水と焼酎を割ったものを一晩おいて、いわゆる「前割り」にしたものを黒千代香で温めていただけば、味わいやまろやかさが格段に変わってきます。
原料、製造方法などいくつもの要件を満たして名乗ることのできる「薩摩焼酎」。お酒の席で語ってみたくなりませんか?
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