2022年8月に更新した木桶蒸留器による、最初の焼酎ができました
2022年、5年ぶりに更新された伝兵衛蔵の木桶蒸留器。日本で唯一の木桶蒸留器職人、津留安郎さんの手により生み出された木桶蒸留器を使った焼酎造りが始まっています。
焼酎造りに欠かせない蒸留の工程において、江戸時代から明治初期頃まで主流だった木桶蒸留器を使った蒸留方法ですが、現在では鹿児島県内の蔵元でも、一部でしか使用されていない希少なものです。
設計図はなく、釘も接着剤も使わずにすべて手作業で作られる、巨大な木桶。現在主流となっているステンレス製の蒸留器と比較すると熱伝導率は劣り、手間もかかるこの木桶蒸留器ですが、木桶の隙間からガスやアルコールが少しずつ抜け、柔らかく上品な口当たり。なにより焼酎造りの熱い思いのようなものが詰まっているように感じます。
5年に一度の逸品「木桶初蒸留 原酒 粗濾過」誕生秘話
この木桶を使い最初に蒸留した原酒は、あえて木桶の安らぎのある香りを残しました。木桶には防虫・防腐のために柿渋が塗られ、時間を重ねるごとに木桶独特の深い色になっていきます。しかしその柿渋が塗られる前の無垢の木桶蒸留器から作られる初蒸留酒は再現のできない貴重なものと言えるでしょう。
この「木桶初蒸留 原酒 粗濾過」に携わった方に話を聞くと、
「5年に一度のこの機会にしか作れない焼酎を、濵田ファンの皆様と共に味わいたい。唯一無二の焼酎を大切な仲間と飲み交わしてもらいたい。そんな思いで企画しました」
「新しい木桶蒸留器特有の香りがする焼酎は初めての試みであり、手探りで蒸留を開始。ほのかな木の香りは「初垂れ」に多く含まれることがわかりました。「末垂れ」を多く入れずに、原酒から木の香りを感じられるように気を遣いました」
「柔らかく上品な口当たりかつ特有の木香がある酒質で、その商品の背景と素晴らしい魅力が十分に伝わるよう(新酒まつりでは)全員一丸で接客したところ、予想を上回る売り上げとなり、やりがいと達成感の感じられるよき経験となりました」
● 木桶蒸留器制作の様子
●木桶蒸留器設置の様子
ほのかに漂う個性的な香りや味わいをご堪能ください
蒸留開始直後に初垂れが流れてくるまでの間、木桶から“コンコン”と太鼓のような音が鳴り、生命の誕生のような神秘的な時間が訪れたそう。現在の蒸留器では再現が難しい、木桶蒸留特有のまろやかでふくよかな味わいの「木桶初蒸留 原酒 粗濾過」。2022年秋の新酒まつりでも話題になり、残りもわずか。希少な味と香りをご堪能ください。
~Information~
■「木桶初蒸留 原酒 粗濾過」
内容量:720ml
種類:本格芋焼酎
麹:白麹
アルコール分:37%
※現在販売を終了しております。