200年以上の歴史を持つ、市来町八坂神社の祇園祭
今年は各地で夏のお祭りやイベントが開催されるようになり、賑わいを伝えるニュースを目にすることも多くなりました。伝兵衛蔵のあるいちき串木野市でも、4年ぶりに祇園祭の開催が決まり、準備が進められています。今回は、2023年7月29日(土)に開催される「祇園祭」の責任者の一人でもある若松正樹さんに祭りのことや見どころなどを伺いました。
若松さん「祇園祭の起源は文化9年(1812年)に、旧市来町の八坂神社の建立の時までさかのぼります。私の祖先でもある若松宇吉ら数名が京都に行き、京都の祇園祭に倣って始めたといわれています。今の市来のあたりは、島津藩が参勤交代で江戸に向かう際に一番目の宿場町でしたので、だいぶ栄えていたといわれています」。
勇壮で活発な男山と優雅な装いの女山の山車が練り歩く
街中を引かれて進む山車(市来では「山」と呼ばれている)ですが、市来の祇園祭の山車は、2階建てで高さが約5メートルにもなる巨大なもの。優雅な着物を着た女性が三味線を弾きながら進む女山、威勢よく太鼓を叩きながら進む男山が練り歩くのも特徴です。
若松さん「私が子供のころは、夏イコール祇園祭という感じでした。山を作る日は早く起きて、大人に混じって一緒になって山を作り上げたものです。
その山車ですが、現在残っているのは4台です。私の住む祇園町からは、書道家・小野道風の人形が乗る道風山、土橋町の龍宮山には浦島太郎。栄町の加藤山は加藤清正、天神町の天神山には天狗が乗っています。
山車にのって太鼓や三味線を演奏するのは子供たちなんです。2週間くらい前から練習を始め、祭りの当日に向けて準備をしています」
サマーフェスタと同日開催。花火の後の山車の競演も見逃せない。
今年の祇園祭は、いちき串木野市のもう一つの夏の大きなイベント「サマーフェスタ」との同日開催。当日は朝の9時頃から山車が動き出し街中を練り歩きます。夕方5時半ごろに八坂神社に集合。そのあとサマーフェスタや花火大会の会場にも近い、市来ふれあい温泉センターそばのグラウンドへ移動する予定になっています。
若松さん「夜になると灯籠が灯り、山車の姿も幻想的な美しさがあります。夜8時15分ごろから9時までの花火大会が終わったあとに若松蔵まで移動しますが、その場所で山車と山車が向かい合って、お囃子の競演をするんです。華やかで壮大な山車、お囃子の音、幻想的な提灯の光…ぜひ花火の後も続く祇園祭の美しい光景を多く人に見ていただきたいですね」。
■イベント紹介ページ(いちき串木野市ホームページ)
https://www.city.ichikikushikino.lg.jp/kankou1/kanko/midokoro/event-02.html
https://www.city.ichikikushikino.lg.jp/c-sales1/summerfesta_2023.html