未来に乾杯! 十代からの本格焼酎体験
私たち濵田酒造が蔵を構えるいちき串木野市には、大小8つもの焼酎蔵があり、古くは江戸時代から本格焼酎造りが盛んに行われてきた、県内でも有数の本格焼酎の産地です。そんな“焼酎のまち”いちき串木野市では、まちを上げて様々なPRに励むなか、2013年には「本格焼酎による乾杯を推進する条例」を制定。今年、条例の制定から10周年を迎えたことを記念し、7月から約半年間にわたる事業『未来に乾杯! 十代からの本格焼酎体験』がスタートしました。そしてその第1回目が、先日7月23日に弊社で行われました。
若いからこそ知ってもらいたい地場産業の歴史と文化
今回参加してくれたのは、いちき串木野市に在住または通学する15名の10代の皆さん。これから月1回程度、本格焼酎に関する座学や蔵見学、芋畑の手入れや収穫、仕込みを体験し学んでいきます。第1回目となる今回は、市役所の職員と濵田酒造の社員による、いちき串木野市と本格焼酎についての講座を行いました。
まずは市の歴史から。江戸時代より参勤交代のルートとなる薩摩街道出水筋の第一宿場町として、また、海上輸送の一大集積地としても栄えた旧市来町。かつて350年にわたって藩の財政を支えた串木野金山だった場所に現在焼酎蔵があることなど、あらためて郷土の歴史に耳を傾けました。
そして現在も盛んに行われる本格焼酎造りについて、その歴史は約500年にもわたること、鹿児島で主に製造される芋焼酎の原料や特長、飲み方、醸造方法など、基礎からコアな知識まで学んだうえで、市場の半数以上をリキュールやビールが占めている現状や、焼酎業界の最新の取組みなどを学び、最後にトロッコに乗って、坑洞跡を利用した焼酎蔵を見学して第1回目は無事終了しました。
普通であれば知りえない世界を大いに楽しむ半年間に
地域に根付いた伝統産業への理解を深め、より一層、市への愛着を深めてもらいたいという熱い想いから生まれた企画であることを、本事業を主催する同市シティセールス課 食のまち・シティセールス係の早川悠久さんが語ります。
「いちき串木野市には、マグロやさつま揚げ、サワーポメロなど様々な食の特産品があります。焼酎も同様ですが、お酒なので20歳を迎えるまで触れる機会が少ないものです。焼酎に触れる前に就職や進学で地元を離れてしまう人も多いので、若いうちから地域に根付いた文化・産業に触れ、地元の酒蔵がどのような想いで酒造りをしているのかを学ぶことで、少しでもいちき串木野市に愛着を持ってくれると非常にうれしいです。結果、地元で就職してくれたり、また、地元を離れたとしてもUターンするきっかけになったり、『僕の地元ではこういう活動をしているんだよね』『その焼酎は私の地元で造られているんだよ』といろんな人に自慢したり、誇りに思ってほしいなと思います」。
今後は、原料の収穫や仕込みの体験を行い、最終的には自分たちで造った焼酎は、保護者の皆さまへ届けられるとのこと。数年後、二十歳になった時に、親御さんやご友人と一緒にこの半年間の思い出を語りながら乾杯してもらえたらうれしいです。
Information
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