焼酎好きなら酒器にもこだわりたいもの。鹿児島で焼酎のお湯割りを飲むときに使われているのがこの平べったい土瓶です。その名は『黒千代香』。風情があって素敵でしょ?黒千代香で焼酎を飲めるようになったらアナタも焼酎ツウ!今回は、この黒千代香の使い方をお伝えします。
「とろ火で人肌」がおいしさの秘訣
黒千代香を使う前に、まずは好みの割合で焼酎を水で割ります。飲む前日に予め割っておく(前割り)と、焼酎と水の分子が均一に混ざって味がまろやかになりますよ。割合を確認するためにも、前もって他の容器で割ってから黒千代香に注ぎましょう。
次に湯煎します。つまり『燗を付ける』ってやつです。黒千代香をそのままドボンとつけたり、写真のように他の容器で温めたものを黒千代香に移したりと方法は人それぞれ。どちらにせよ、大切なのは人肌に温めること!アツアツだと芋焼酎の香りが飛んでしまうんです。
人肌に温めた焼酎を黒千代香に注いで完成です!黒千代香は、長い持ち手に蔓(つる)が巻きつけてあるのが特徴。とっても持ちやすいんですよ。で、この黒千代香はお猪口とセットで販売されていることが多いので、せっかくならお猪口でいただくとしましょう。
いつもの焼酎が一層おいしそうに見えるでしょ?でも見えるだけでなく、実際に黒千代香を使うとおいしくなるんです。というのも、黒千代香のお手入れ方法は飲み終わったら洗わず、そのまま乾燥させるだけ。すると焼酎の香りが黒千代香に移って、使えば使うほど味がまろやかになるんですよ。
そうと知ったら毎晩使うしかないでしょ!ちなみに、飲んでいる途中で冷めるのを防ぐために火鉢や石油ストーブの上に乗せておくのもオススメです。ガスコンロは火力が強すぎて黒千代香が割れてしまうので注意してくださいね。とろ火で絶えず温め続けるのが焼酎ツウの極意ですよ。