いよいよ今年も残すところあとわずかとなってまいりました。皆様、年末年始はどのように過ごされるのでしょうか。
皆様おなじみの行事や風習には様々な由来があります。由来を知ると、お正月の過ごし方が少し変わるかもしれません。
そもそもお正月の由来とは?「正月」は1月の別称ですが、一般的には正月行事をする間ととらえ、1月1日~1月7日の「松の内」や、一連の正月行事を終える1月15日の「小正月」をさすことが多いようです。
正月のおなじみの物事に、年神様にまつわるお話があります。 昔から、元旦には「年神様(としがみさま)」という新年の神様が、1年の幸福をもたらすために各家庭に降臨するとされています。年神様は子孫繁栄や五穀豊穣に深く関わり、人々に健康や幸福を授けてくれます。その年神様を迎え入れる様々な正月行事や風習が各地で生まれました。
私たちの作っている「お酒」も正月行事を彩るひとつ。神様にお供えする「御神酒(おみき)」やお正月にのむ「御屠蘇(おとそ)」などお正月の行事とお酒は密接にかかわりあっているのです。
御神酒のルーツ
皆様は、「御神酒」についてご存知でしょうか。御神酒は、神饌(しんせん)には欠かせないものとされており、お正月をはじめ日本古来の祭事でお供えされるお酒を言います。神様にお供えしたものには、その霊力が宿ります。霊力の宿ったお酒、すなわち御神酒になるのです。御神酒を頂けば、神様の霊力が直接体内に入ることになるのです。
今年流行したアニメ映画「君の名は。」のなかでも重要なシーンで出てきていた「口噛み酒」も、神饌に使われる「御神酒」のひとつ。皆様、「御神酒」についてイメージがわいてきたでしょうか。
さて、それでは御神酒としてお供えするお酒はどのようなものが良いのでしょうか。焼酎?清酒?―じつはこれ、お酒であれば基本的になんでも構いません。大切なことは、自分自身が神様に召し上がって頂きたいと思うお酒であるということです。自分が普段から美味しいと思って飲んでいるお酒を心を込めて選ぶことが重要なのです。
もうじきお正月を迎えます。伝兵衛蔵の蔵人たちが丹精込めて造った焼酎を、神様へお供えして頂くもよし、年越しそばのお供に一杯飲まれるもよし。そして新しい一年の始まりに、焼酎で乾杯するのもよし。ご家族でおせち料理を囲みながら、風味豊かな焼酎をお湯割りで心落ち着かせながら、ゆったりと楽しまれるのも良いですね。焼酎で温まった体は、冬の寒さにも負ける気がしません。「御神酒上がらぬ神はなし(神様でさえ酒を召し上がるのだから、人が酒を飲むのは当然であること)」ということわざもあります。どうぞ皆様、お正月に心ゆくまでお楽しみください。お酒を酌み交わす機会も多くなりますが、飲みすぎ・飲酒運転にはご注意くださいね。皆様が良いお年を迎えられますように。