明治元年、焼酎造りを始めた伝兵衛蔵。今年7月でなんと創業して150年の月日が経ちました。創業以来、手造りの焼酎蔵として、本格焼酎の伝統の味・技・心を大切に守りながら日々焼酎造りに励んでいます。伝兵衛蔵では、木桶蒸留器をはじめ、甕での貯蔵などこだわりを持った蔵です。そんな当蔵には、現在に至る150年の中での焼酎造りの変遷、また、伝兵衛蔵の歴史を感じて頂ける「伝兵衛蔵ミュージアム」があります。
普段何気なく飲んでいる焼酎、1日の疲れを癒してくれる焼酎にも歴史が刻みこまれているのです。
ミュージアム内には当時使用されていた焼酎造りの道具や大きな樽、甕などが展示されています。今回は、その一部を少しだけ皆様にご紹介します。ミュージアムに入ると真っ先に目に飛び込んでくるのがこの大きな「ボイラー」です。これは、石炭を焚いて蒸気を発生させるボイラーで、第二次世界大戦前の昭和10年代に導入されました。のちに30年ほど活躍しています。
戦時中は、大砲の弾にするために、鉄製のものをあちらこちらからかき集められていましたが、このボイラーは焼酎造りには欠かせないものということで、手放さずに済んだのだといいます。そのおかげで、終戦後はすぐに焼酎造りを再開することが出来たのだそうです。伝兵衛蔵の歴史をつないだボイラーですね。展示してあるものの中でも、特に圧倒的な存在感を放っています。
また、昔使われていたラベル貼り機もあります。この機械が発明されるまでは、一本一本に一枚ずつ手作業でラベルを貼っていました。この機械が発明された当時は飛躍的に作業が効率化されたことだと思います。
鹿児島県には現在113蔵の焼酎蔵がありますが、伝兵衛蔵では原料や製法にこだわり、杜氏たちの手作業で一本一本丹精込めて焼酎造りを行っています。
150年の時の流れを体感していただけるミュージアムの他にも、蔵を見学することが出来、実際に杜氏たちが焼酎造りを行っている現場を目の前で見ることが出来ます。また、蔵内には良い香りが漂っています。
いよいよ夏休みシーズン到来ですね。親子で蔵見学はいいかがでしょうか。まだ飲酒できないお子さんたちも、将来大人になってから、ふと当蔵でのことを思い出して、いつの日か焼酎で乾杯する日が来ることを願って・・・
【蔵見学に関するお問い合わせ先】
焼酎蔵 薩州濵田屋伝兵衛
TEL:0996-36-3131
9:00~17:00 (水曜定休)