桜鯛と呼ばれる、桜の花が咲く頃のマダイに始まり、全国有数の生産量を誇るカツオ。春から夏にかけて沿岸の藻場に産卵に訪れ、九州ではミズイカと呼ばれ親しまれるアオリイカ。夏には郷土の魚、キビナゴ、全国一の生産量を持つトコブシ、マダコにウナギ。秋にかけては全国でも珍しいアサヒガニや、カジキにサバ、カンパチ。冬には白身文化圏の花形ブリに、アラカブの名で愛されるカサゴ、イセエビやクルマエビ…。四季折々の旬の地魚と、最高級の遠洋マグロの競演。この町ならではの至福を存分に味わえる場所が串木野駅のほど近くにあります。
素材の持ち味を最大限に引き出す職人の技。
「魚」が「旨い」と書いて、「鮨」。鮨処『大助』の鮨を口に運ぶ時、誰もが鮨という漢字の意味を五感で理解するはずです。東シナ海、串木野港から毎朝仕入れられる新鮮な魚介類。その一つひとつを、魚を知り抜いたご主人の鮮度を活かした仕込みで、素材そのものが持つ美味しさや個性を引き出して行く…。刺身の引き方、塩の打ち方に至るまで、入念に考えられた熟練の技。しかも、抜群のコストパフォーマンス。近くにあったら、毎日でも通い詰めそうなお鮨屋さんです。
「その季節ごとに、旬のものをいろいろな調理法でお出ししているけど、やっぱりいちばんお勧めのメニューは鮨。だって、ほら、鮨屋だからね!」と、笑顔が男前なご主人の林川さん。てきぱきと料理を作りながら繰り出される軽妙なトークを楽しみに、毎日訪れる常連さんたちで、カウンターはいつもいっぱい。ランチタイムには、サラダ、茶碗蒸し、吸い物、デザートなどが付いたお得なランチメニューも豊富に取り揃えられています。
写真左/気の置けない仲間や、家族での食事に便利な4名から8名程度の個室。お祝い事や法事の会席にも使える30名収容のお座敷など、いろいろなタイプの個室が用意されているのも便利。写真右/それぞれの個室のエントランスには、薩摩切子などの郷土美術がさりげなく飾られています。もちろん、各種の催しに応じた精進料理、精進落とし料理なども準備されています。そのほか、出前や仕出し料理にも対応、年末には「おせち」も用意するというきめ細かい接客は通常の鮨屋の域を超えた割烹の趣です。
写真左/カウンター前のザルや大皿に並べられた旬の珍味をつまみながら、オンザロックや前割り、お湯割りなど、自分好みの飲み方で、本格焼酎を楽しむカウンターの様子は鹿児島ならではの心和むひと時。写真右/郷土の魚、キビナゴを塩麹に漬けて焼いた小皿は、ほどよい塩味にいくらでも焼酎の杯が進みます。バターを隠し味にした、串木野名産のトコブシの味噌焼きも、大助では定番の肴。バターの風味にも、新鮮な刺身にも合う守備範囲の広さも、本格焼酎の魅力のひとつかもしれません。
串木野駅前の道、38号線をまっすぐ進み、国道3号を越えた次の交差点にひっそりと提がるシンプルな大助の暖簾。扉の向うには、遠洋漁業で届けられた本マグロ、近海のタイやヒラメ、ブリ…。赤身文化圏の関東人も、白身文化圏の関西や九州の人たちも夢中になる魚の桃源郷が広がっています。
Information
鮨処大助
鹿児島県いちき串木野市曙町42
TEL:0996-33-1911
営業時間:11:30~14:00 18:00~22:00
定休日:水曜日
駐車場:有