昔懐かしい駅舎って何だかホッとしますよね。この駅は、伝兵衛蔵の最寄りの『市来駅』です。駅舎の佇まいもとってもレトロでいい雰囲気なんですよ。いちき串木野市には、こんな素敵な場所がいっぱいあります。今回は、こんな弊社のふるさとをご案内します。
自然・歴史・文化がギュッと詰まった要所
いちき串木野市は、2005年に日置郡市来町と串木野市が合併してできました。6文字の市名は国内最長なんですよ。JR鹿児島本線が通る市来駅や串木野駅には、1時間に2本ほど電車が来ます。都会に比べるとちょっと少ない?でも、こののんびりとした雰囲気がいちき串木野市の魅力でもあるんですよ。
鹿児島といえば桜島! 以前は名前の通り独立した島だったのですが、大正3年の大噴火によって大隅半島と繋がりました。今でも頻繁に噴火を繰り返す世界的にも有数の活火山であり、鹿児島県民の心のふるさとです。鹿児島市ほどではないけれど、いちき串木野市にも時々灰が降ります。
いちき串木野市は東シナ海に面しているので、古くから漁師町として栄えてきました。そして、市内の羽島という場所は明治維新という日本の黎明期に薩摩藩士たちが大海原を渡ってイギリスに旅立った場所でもあります。外海と隣接する町だからこそ、外国との行き来の場にもなっていたんですね。
いちき串木野市を訪れたらぜひ見ていただきたいものがあります。それは、東シナ海に沈む夕日! 東シナ海の沿岸地域は、県内有数の夕日スポットとして有名なんです。これは長崎鼻の灯台から見た夕日。きれいでしょ? 空がオレンジ色と濃いブルーのグラデーションに染まる光景は、息をするのも忘れるほどの美しさ! はるか彼方にぽっかりと浮かぶのは甑島列島です。
でも、いちき串木野市の魅力は海だけじゃありません。山もまた美しいんです! 中でもここ冠岳は、始皇帝の命で不老長寿の妙薬を探して上陸したという『徐福』の伝説が残る山。冠岳一帯には神社やお社があって、四国のお遍路さんと同じように八十八ヶ所を回ることもできるんですよ。
串木野は古くから遠洋漁業が盛んな町。特に日本一の隻数を誇る遠洋まぐろ延縄漁の歴史は明治時代にまでさかのぼります。『遠洋』ってどこまで行くのかというと、オーストラリアや南インド、南アフリカ、地中海などなど、世界中の海域を1年かけて操業しているんです。漁業というより冒険に近いですね。
いちき串木野市は、鹿児島の一地方都市でありながら、今も昔も外国と日本を繋ぐ場として利用されている要所なんです。そんな場所に弊社は蔵を構えています。鹿児島の夏はとても暑いけれど、灼熱の太陽のおかげで焼酎の原料となるさつまいもはすくすくと成長してくれます。
そして海と山が清らかな水を育んでくれるからこそ、おいしい焼酎ができる。こんな焼酎づくりに適した素晴らしい環境の中で、私たちは焼酎を造り続けてきました。自然の産物を使い、麹や酵母といった微生物を相手にする仕事は、いつも思いどおりにいくとは限りません。
でも、ふるさとの大自然は『焼酎文化』という素晴らしい文化を私たちに与えてくれました。桜島の降灰被害に悩まされる一方で、温泉や絶景などかけがえのないギフトを与えてくれることを鹿児島の人は皆知っているんです。そしてそんな歴史を積み重ねていく過程には、先人たちの知恵と匠の技があります。
ふるさとの自然や歴史、文化、そして代々受け継がれてきた伝統の技を継承するのはもちろん、世の中に発信し続けていくこともまた、明治元年から続く焼酎蔵としての使命だと私たちは考えています。これからも3つの蔵からたくさんの情報をお届けしていきます。