6月と言えば、田植えの時期。鹿児島でも田植えの風景をよく見かけます。田んぼのあぜ道でよく見かけるものといえば、石像の「田の神さあ」をご存じでしょうか。
「田の神さあ」とは、その名の通り「田の神」であり、田んぼを守り、稲作の豊穣をもたらすと信仰されている神様の事であり、身近な存在として「田の神さあ」と親しまれています。
日本には八百万の神々がいるといわれていますが、この石像の「田の神さあ」は18世紀初め頃の薩摩藩領地から信仰が広まったと言われ、鹿児島や宮崎で多く見られる石像になります。「農民型」や「神像型」など、それぞれが個性豊かでその数は2,000体以上とされています。さらに、県の有形民俗文化財としても指定されているものもあります。ここで、いくつかのいちき串木野市にある田の神さあをご紹介いたします。
別府下の田の神さあ
右手に飯げ(メシゲ・しゃもじ)を持ち、左手にお椀をもっています。
カラフルにペイントされており、とってもにこやかで、楽しそうに田んぼを見守ってくれています。
高見町の田の神さあ
こちら、なぜか田んぼではなく、公園に祭られています。地元の方の話によると、昔はこの辺りも一面田んぼが広がっていたそうです。田んぼはなくなっても、人々に親しまれている田の神さあです。
坂下の田の神さあ
神像型の田の神さあです。こちらは、1747年に作られ、鹿児島県内でも初期の頃の田の神で貴重なものだそうです。神官の格好で笏(しゃく)を持っている立ち姿は威厳があり、立派な佇まいですね。
福薗の田の神さあ
二つの鳥居がある生福南方神社(俗称:お諏訪さあ)にある田の神さあ。一つの石に二体ある田の神さあは珍しく、薩摩川内市といちき串木野市に集中しているそうです。二つの鳥居に夫婦の田の神。寄り添うカップルのようで、かわいらしいです。
冠岳 岩下の田の神さあ
こちらも、一石双体の男女並立型浮き彫り像になります。
冠岳には、その名の通り「霊峰・冠岳」という山があります。冠岳には秦の始皇帝の命令を受けた徐福が不老不死の妙薬を求めて冠岳にたどり着き、五穀豊穣をもたらしたという徐福伝説があります。
冠岳の豊かな自然と景観を形づくっているものは、豊富に流れる清浄な水。中でも冠岳の伏流水は霊水とされてきました。不老不死の妙薬は、冠岳の清浄な水も関係しているのかもしれませんね。
以上、5体の石像をご紹介しましたが、それぞれに個性があり、一つとして同じものがありません。今年も、田の神さあが稲作の豊穣を見守ってくれることでしょう。
あなたのお気に入りの田の神さあはありましたか。
徐福伝説が残る霊峰冠岳の伏流水を使った清酒づくり
鹿児島県特有のシラス台地は、地下を流れる水脈を自然ろ過し、清冽な天然水を生み出します。
薩摩金山蔵の清酒 薩州正宗は厳選された国産米を使い霊峰冠岳の伏流水で仕込んでいます。江戸時代から薩摩藩の財政の下支えをしてきた串木野金山、その歴史を受け継いだ薩摩金山蔵で薩摩の清酒を丁寧に一本一本ひとしずくを大切に心を込めて仕込んでおります。
鹿児島の独特な文化を感じながら、薩摩の清酒で今宵は一杯いかがでしょうか。薩摩の清酒・薩州正宗のフルーティで軽やかな味わいと共にお楽しみください。