関ケ原の合戦で西軍に所属した島津家。その後の江戸時代では、外様大名として幕府からの普請に応じるため、藩の財政は苦しい時が続きました。加えてシラス台地や台風等の自然条件にも恵まれず、莫大な借金を抱えていた薩摩藩。その財政を立て直したのは琉球貿易といわれていますが、この時に使用したのが藩内の金山から生み出された「金」でした。
山ヶ野金山(鹿児島県霧島市・さつま町)、鹿篭金山(鹿児島県枕崎市)、そしてここ薩摩金山蔵のルーツでもある芹ヶ野金山(串木野金山)という三つの金山から採掘される金で琉球貿易が支えられ、やがては幕末の倒幕に奔走する際の軍資金として蓄えられたとされています。
薩摩金山蔵の坑洞トロッコツアーが再開!
この350年以上にわたり掘り続けられた金山の坑洞の総延長は、120キロメートルにもおよび、その一部は現在、焼酎仕込み蔵や長期熟成貯蔵庫といった本格焼酎の歴史といにしえの文化を語り継ぐ場所となっています。コロナ禍の影響で見学は休止していましたが、いよいよ体験ツアーが再開しました。
週末限定で行われている「独自の黄金麹と地下坑洞焼酎熟成ツアー」は、金山としての歴史と、年間を通して気温19℃、紫外線の影響を受けないという焼酎の貯蔵・熟成に適した環境である坑洞内の様子を見ることができるのです。
この日は薩摩金山蔵をよく知る大ベテラン田渕さんの案内で、商品の運搬などにも使われている緑色の車体のトロッコに乗り込みました。
薩摩金山蔵地上の乗り場から、ガタンゴトンと揺られながら坑洞内にある地下焼酎仕込み蔵のエントランスまでの距離は約700メートル。出発してまもなく、外界の光が遮断されると次に感じるのは、夏はひんやり、冬はあたたかという温度の変化です。
まるで異世界に飛び込んでいくような不思議な感覚と、田渕さんのアナウンスによる蔵の歴史や説明に耳を傾けていると、あっという間に到着です。
降車後に案内されるのは金山の歴史を体感できるスポットです。地中に眠る鉱脈を求めて掘り進めていった多くの従業員と、その作業を支えた無骨で力強い道具類。今では動くことはありませんが、限られた空間の中に存在する巨大な機械類の存在感に驚きます。
さらに進むと見えてくるのが焼酎仕込み蔵。ここ薩摩金山蔵で造られる焼酎の特徴は、なんといっても昔ながらの「どんぶり仕込み」。現在では一般的な二次仕込み法が普及する前の仕込み方法で、生産性を比較すると劣る部分もありますが、唯一無二といえる複雑な香りと味わいにはかえられません。
そしてこの環境を活かした焼酎の長期熟成貯蔵庫のスケールにも驚きます。ずらりと坑洞の奥まで並ぶ1000リットルの甕。日付を見れば15年以上もの時を重ねたものも多数あります。
さらに坑洞内には、島津義弘公がご祭神の薩摩開運神社、鉱山で働く人達の安全と繁栄を願って作られた黄金の観音像など、写真映えのするスポットも豊富です。
(開運神社)
(黄金の観音像)
未来の私へ、あの人へ。「熟成と共に福来たり」を贈る
もう一つ、この坑洞の中で熟成の時を重ねているのが、「熟成と共に福来たり」という本格芋焼酎です。ここ薩摩金山蔵で、鹿児島県産のさつまいもと、幻の麹といわれる黄金麹を用いて昔ながらの製法を再現して造られた焼酎です。メッセージを書き込めるオリジナルのラベルに想いを込めて、未来の自分や大切な人へのお土産にしてみてはいかがでしょうか。
Information
■「独自の黄金麹と地下坑洞焼酎熟成体験ツアー」について
【内 容】地下坑洞内により金山蔵独自の黄金麹を使用した焼酎の熟成を体験するツアー
【開催日】土・日・祝日のみ開催
【期 間】2022年6月26日~8月28日
【ツアー出発時間】
1.出発時間:11:00 (終了予定時間:12:15)
2.出発時間:14:00 (終了予定時間:15:15)
【ツアー料金】
新型コロナウィルス感染防止の為、事前予約制となります。
大人800円、小人400円(前日17時までに予約をお願い致します)
※ツアー料金は、ご予約頂いたツアー当日に承ります。
※特別ツアーの料金となります。通常便とは異なります。(通常運行は現在休止中です)
【予約方法】
予約方法については以下のお問合せ先にご連絡ください。
※天候や予約状況次第で、ツアー休止のご案内をさせて頂く場合もございますので、予めご了承願います。
【お問合せ先】
焼酎蔵 薩摩金山蔵
鹿児島県いちき串木野市野下13665
TEL:0996-21-2110
■商品情報
本格芋焼酎「熟成と共に福来たり」
内容量:720ml
原材料名:鹿児島県産さつま芋/米麹(国産米)
麹:黄金麹
アルコール分:32%
>購入はこちら
■【焼酎蔵】薩摩金山蔵の蔵見学動画公開中!