伝兵衛蔵・蔵人インタビュー
酒蔵で働く人のことを蔵人といいます。中でも「杜氏」という仕事は酒づくりの最高責任者。焼酎蔵でもそれは全く同じです。美味しい焼酎は「杜氏」をはじめとする蔵人たちの豊富な経験や技術、感性によって生まれます。 今回は、伝兵衛蔵から数々の焼酎銘柄を生み出した、福山杜氏にお話を伺ってみました。
お客様に喜ばれる本格焼酎をつくる。
伝兵衛蔵杜氏の福山さんが焼酎づくりに携わるようになったのは、昭和57年のこと。地元に焼酎蔵は数多くあるのに、焼酎づくりは全く知らなかった。きっかけは「芋でなぜ焼酎ができるのか?」に興味を持ったこと。「当時の焼酎づくりは教えてもらうのでなく、先輩たちの技術を見て学び、体得するものでした。焼酎づくりに携わるようになりようやく33年になります」。平成16年より、伝兵衛蔵杜氏を務めるようになり、さらに焼酎づくりに没頭。『伝』や『なゝこ』というプレミアム焼酎を生み出しました。
伝兵衛蔵の本格焼酎づくりの特徴は、原料となる芋や水、昔ながらの手作りの伝統的製法にこだわり、丁寧に上質な焼酎をつくること。そんな焼酎づくりの場において、杜氏が最もこだわっていることは「麹(こうじ)や酵母など微生物が活躍しやすい環境を作ること」なのだそう。「焼酎の味の決め手は良い蒸し、麹のでき、酒母のでき、芋の品質です。特に麹のできが最後まで焼酎の味に影響を与えます。過去のデータや経験、理論で分かっていてもデータ通りにはいきません」 。だから、麹づくりの最中は、温度や状態を確認するため、夜中1時間に1回くらいは起きて「麹菌」の成長具合を管理します。
一番大切にしていることは、まず蔵の中の「和」。いい焼酎をつくろうと思えばチームワークも大切です。さらに焼酎を愛し、蔵の焼酎を思うこと。「自分が目指していた焼酎ができた時に、蔵人の仲間とわかちあう喜びは格別です」。福山杜氏にとって、人生ともいえる本格焼酎づくり。最後に焼酎づくりの”決めて”について伺ったところ「品質保証体制に基づいたおいしい焼酎をつくるという向上心、日々の勉強」というお言葉をいただきました。杜氏が手に持つ『伝』は、明治元年の創業当時の「黄麹仕込み」を復活させた本格芋焼酎。手造り麹ならではの管理で「黄麹」を使用している為、温度管理もシビア。思い出に残る焼酎なのだとか。醸造と蒸留のスペシャリストたちによって、今日も伝兵衛蔵の本格焼酎が育まれています。
■Information
黄麹仕込み 伝 >詳しくはコチラ
容量:720ml
アルコール度数:25%