「発酵」。それは、世界中の人たちに受け継がれる「食」の魔法。有史以前から存在していた歴史があり、考古学的に最古の発酵食品は、8000年前のコーカサス地方のワインなのだとか。目には見えないミクロの世界で繰り広げられる微生物たちの営みによって生まれる発酵食品。とりわけ日本はその恩恵を享受し、独自の発酵文化を築きました。日本固有の「麹菌」から作り出される発酵食品は、味噌、醤油にはじまり、酢に清酒、鰹節、漬物や納豆…。ちなみにこちらの写真は伝兵衛蔵の「黄麹」です。それでは日本の発酵文化の根底でもある「麹」について、少しご紹介しましょう。
「麹」は焼酎づくりにも欠かせない存在。
日本の発酵食品はすべて「麹(こうじ)」からはじまります。「麹」とは、米、麦、大豆などの穀物にコウジカビなどの食品発酵に有効な微生物(カビ)を繁殖させたもの。コウジカビは繁殖するためにデンプンやタンパク質などを分解する酵素を生産し、培地である蒸米や蒸麦のデンプンやタンパク質を分解し、そこで生成するグルコースやアミノ酸を栄養源として増殖します。このコウジカビの産生した各種分解酵素の作用を利用して、焼酎をはじめ各種発酵食品が生まれるのです。写真左は「黒麹」、左は「白麹」です。
「麹」を繁殖させる穀物が米の場合は「米麹」、麦の場合は「麦麹」、豆の場合は「豆麹」と呼びます。伝兵衛蔵での「米麹」の作り方は、原料となる米を洗い、吸水させ、蒸す。蒸し上がった米は放冷台と呼ばれる台の上で40℃程度まで冷やします。その後に「麹菌」を別途培養した「種麹」を振りかけていきます。杜氏は、蒸米の温度や湿度、質感を手で確かめながら、「種麹」をどの段階で混ぜていくかなど、長年の経験を生かして「米麹」をつくります。
「麹」にも実はいくつかの種類があります。日本酒、味噌、醤油は主に「黄麹」が主体であり、元々は焼酎づくりも「黄麹」が使われていたのですが、現代の焼酎づくりにおいては、「白麹」「黒麹」が主流です。伝兵衛蔵では、「黄麹」による焼酎づくりを復活した本格芋焼酎『伝』をはじめ、芋の甘みを存分に引き出す「黒麹(」仕込み『宇吉』。「白麹」で仕込み、甕貯蔵の遠赤外線効果でまろやかに仕上げた『兼重(芋)』、珍しいものでは「とうもろこし麹」を使った『十年貯蔵 野風』など、さまざまな「麹」から生まれた本格焼酎をお楽しみいただけます。「麹」の違いによって変わる味や香りを楽しめるのも本格焼酎の楽しみ方のひとつ。ぜひ、お試しになってみては!
information
黄麹仕込み 伝 〉詳しくはコチラ
容量:720ml
度数:25%
黒麹仕込 宇吉 〉詳しくはコチラ
容量:720ml
度数:25%
甕貯蔵 兼重(芋) 〉詳しくはコチラ
容量:720ml
度数:25%
十年貯蔵 野風 〉詳しくはコチラ
容量:720ml
度数:35%