この大きな芋!通常の2倍以上はありそうなビッグサイズ!形も普通の芋と全然違いますよね。これは芋焼酎の原料、コガネセンガンという芋なんです。今回はこの芋についてのお話です。
自然豊かな南九州市から届く芋の行方。
ここは鹿児島県南九州市の頴娃町。自然豊かでとてものどかな所なんですよ。このあたりは火山灰でできたシラス台地。水はけが良すぎるシラスは稲作には不向きですが、サツマイモはそんな過酷な環境でも育つんです!だから鹿児島では昔からサツマイモが栽培されてきたんですね。奥に見える美しい山は『薩摩富士』とも言われる開聞岳。形が富士山に似てるでしょ?弊社の芋は、ここ頴娃町やお隣の知覧町などから仕入れています。
伝兵衛蔵で扱う芋の量はなんと1日1トン!すごい量ですよね。大量に届く芋を、まずは手際良くカットします。なぜかって?芋を加工しやすくするために芋の大きさを揃える必要があるからなんです。鮮度を保つためにも芋切りはスピード勝負!彼らは一瞬で切るべき部分を判断します。まさに職人技!
大きい芋を半分に切ったり、傷んだ部分を切り落としたり。すべて手作業です。機械でもできそう?いえいえ、芋の状態を的確に見極めるには、やはり人の目が不可欠なんですね。
取材時、蔵長の福山勉が芋の状態を確認しに来ておりました。「今年の芋は出来が良くて大きいから、重いなぁ」と笑顔でパチリ。福山は勤務歴31年の大ベテラン。芋を知り尽くしたエキスパートです。
芋をザザザーっと何かに移していますよ。機械のようですが、一体これは?正解は『芋洗い機』。その名の通り、芋の汚れをきれいに落としてくれる優れモノ。優秀な機械の手を借りて、芋を一気に洗ったら、いよいよ芋を蒸していきます。
次いで、蒸して粉砕した芋をかめ壺に入れていきます。これはもしかして……そう、二次仕込みの行程です!(詳細は伝兵衛蔵#001『焼酎の王国へ、ようこそ!』を参照のこと)杜氏たちが息の合った連携プレーで仕込みを進めていきます。かなりの重労働だけど、ワクワクする瞬間です!
これ、よく見る光景ですよね。櫂棒でかき混ぜてもろみの温度を調整しているところです。新鮮な芋の風味を最大限に引き出すため、杜氏は五感を研ぎ澄ましてもろみと向き合います。畑から仕込みまで。芋の行く先にはいつも多くの職人たちの姿があるんですね。