鹿児島県で唯一の清酒蔵としても知られている「薩摩金山蔵」。「薩州正宗」と名付けられた清酒を発売し、県内外のお客様に好評を博しています。この名前は、2012年に一般から名付け親を募り、全国からの7,000を超えるネーミング案から選ばれました。薩摩を意味する「薩州」と、清酒の代名詞である「正宗」を組み合わせた、奇をてらうことのない威風堂々とした名です。本格焼酎造りと清酒造りを共に極めることで、唯一無二の「薩摩金山蔵」を世界へ発信していきたいという想いが込められています。
※「日本最南端の大吟醸酒」については、2018年11月1日時点の情報です(当社調べ)。
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鹿児島県唯一の清酒杜氏が7年目に挑んだ「大吟醸酒」
今年7月の蔵だよりで、「薩摩唯一の清酒杜氏、新境地へ」という見出しを付けて、清酒杜氏の東條さんについて書かせていただきました。2010年に単身長野県の清酒蔵で修業を積み、鹿児島に戻ってから清酒造りに着手。そして、2012年に「薩州正宗 純米酒」「薩州正宗 純米吟醸酒」が誕生しました。以降も、さらなる進化を遂げるために酒質の研究を重ね、2018年11月1日に「薩州正宗 大吟醸酒」を鹿児島県から限定発売することになりました。
種子島で育成された酒米「吟のさと」
今回の大吟醸酒造りは、種子島の農家から「酒米『吟のさと』を栽培するので、鹿児島県唯一の蔵元である薩摩金山蔵に清酒造りをお願いしたい」とアプローチをいただいたことがきっかけ。種子島で試験育成し、地方農家を活性化したいという想いと東條さんの大吟醸酒造りに挑戦したいという想いが一致したことから、大吟醸酒造りが始まりました。この「吟のさと」は、最高品種の酒米として知られる「山田錦」の品質に近く、九州の気候や風土に合う酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)です。背丈が山田錦に比べて低いため倒れにくく、台風が多く通る九州地方でも栽培しやすいのが特徴です。
(画像提供:農研機構九州沖縄農業研究センター)
清酒杜氏 東條健太さんよりメッセージ
「最高級の酒米として知られる「山田錦」の酒米品質を保ちつつ、温暖な地域での栽培適性もある「吟のさと」を種子島の農家の方々と協力し栽培しました。仕込み水には軟水である冠岳(かんむりだけ)伏流水を原料の洗米から割水まで全ての工程で使用し、麹は完全手造り、醪(もろみ)の最高品温は9℃とし丁寧に長期低温発酵を行いました。また槽搾りで上槽を行い、マイナス5℃での生貯蔵、香りを逃がさないようにボトリングし、火入れ(低温殺菌)を行うなど徹底してこだわったことにより、青リンゴやパイナップルを連想させる華やかな香りとキレよくすっきりした甘みのある酒質に仕上がっています」。
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